卒業生学部生

「鉄道」のデータを利益創出に。人びとの便利で豊かな暮らしに役立てたい。

西日本旅客鉄道株式会社 福田 奈央さん

2021年3月卒業。同年4月西日本旅客鉄道株式会社入社。近畿統括本部京都信号通信技術センター湖西信号通信区に配属され、保守管理を担当。2022年6月よりデジタルソリューション本部データアナリティクスに配属。ICカード乗車券やクレジットカードなどのデータ分析と活用に取り組んでいる。在学中はラクロス部に所属し、リーグ戦にも出場。

理論だけでなく実体験による高い知見を養う

大学や将来を決めるにあたって書籍を読んでいたところ、これからの社会には「データサイエンス」というものが不可欠であるという記載があり、興味を抱きました。進学先を調べると、日本初のデータサイエンス学部が滋賀大学に創設されると知り、1期生になれることにも惹かれて入学しました。
授業では、データサイエンスの理論、Pythonをはじめとするプログラミングのスキルと共に、データをどう活用し、そのためには何をすべきかを、実践演習によって習得。扱うデータも連携企業などが収集蓄積した実データで、先生やその企業の方と分析することもありました。有用なデータにするには数値の意味と切り口を、関係者とのコミュニケーションによって考察・分析することが重要だと実感しました。その意識と実戦演習で培った能力は、今の仕事にも役立っています。
高校時代は文系で、入学前は理系科目への不安もありましたが、先生は時間外でも質問に対応してくださり、クラスメイトの助けもあって、理解や知識を深めることができました。滋賀大学データサイエンス学部は、「実体験」によって高い知見を養うことができます。サポートも手厚いので、理系・文系に関わらずおすすめです。

社会や企業が持つ、よりリアルなデータによる分析を経験

3年生からは河本薫先生のゼミに所属し、プロサッカーチームの戦術分析をはじめ、より実用的なデータを分析。インターンシップでは機械メーカーの製造ラインの異常検知に取り組みました。分析にあたって、サッカーや機械工学について携わる方にヒアリングを行うことで、深い知識をもとに分析し、精度を高めることができました。こういったデータサイエンスにおけるコミュニケーションの重要性を実感する数々の経験と、企業で活躍されていた経験を持つ河本先生のお話を通じて、卒業後は、企業の課題解決や利益追求と、社会や人びとの生活にデータサイエンスで役立ちたいと決意。鉄道を軸に幅広い事業を展開するJR西日本に就職しました。

お客さまと会社のためのデータ活用方法は無限大

所属するデジタルソリューション本部は設立間もない部署ですが、滋賀大学入学時と同じく、未開の地を開拓していくような気持ちで業務に取り組んでいます。JR西日本にはICカード乗車券やクレジットカード、MaaS(※)アプリケーションなど、価値あるデータが膨大に蓄積されています。例えば、移動経路や訪問先、物品などの購入履歴などを分析すれば、運営する商業施設のマーケティングや、より利便性の高いサービスの提供に活用できます。どう分析し、有用なデータとして実装するか、上司や先輩、関係部署・機関の方と密に連携しながらプロジェクトを実現し、会社にもお客様にも貢献することが目標です。

※MaaS(マース) :Mobility as a Serviceの略。地域住民や旅行者一人一人のトリップ単位での移動ニーズに対応して、複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済等を一括で行うサービス(国土交通省HPより)