学生インタビュー
課題発見からデータを深掘りするデータサイエンスは「人間が考える仕事」。

花王株式会社 加藤 有紗さん
愛知県出身。2021年3月滋賀大学データサイエンス学部卒業。同年4月花王株式会社に入社。同年8月に情報システム部門アナリティクステクノロジーグループ、2025年1月デジタル戦略部門データアナリティクス部に配属され、同部門ではアプリ開発を中心とした新人研修も担当。大学生活で遠距離通学をしながら、学業と未経験からのバスケットボール部での活動に取り組んだことが、現在の糧となっている。
※勤務先の所属は取材時のものです。
夢を実現できるデータサイエンスとの出会い
高校時代から将来は化粧品会社に就職したいと考えていました。化粧品業界について調べていたところ、研究開発やマーケティングといった基幹事業にビッグデータの活用が始まっていることを知りました。それと同時に滋賀大学に日本初のデータサイエンス学部(以下、DS学部)が創設されると聞いたのです。私は文系でしたが、「データの知識を獲得すれば強みになる」と進学を決意。DS学部は文系でも受験できる点も魅力でした。入学後は、統計学や線形代数といった数学系の科目は難しかったですが、先生の授業がわかりやすく、さらに理系出身の友人たちが教えてくれたおかげで理解が深まりました。
課題の仮説から実践までを完遂する分析力を獲得
在学中に最も注力したのは、所属した河本薫先生のゼミでの企業連携型PBLです。企業から課題とデータを提供いただき、解決策を提案するもので、私はある商業施設のアプリのデータから、顧客離反を防ぐための施策立案に取り組みました。顧客の動きをグルーピングし、その特性や離反に至る段階を分析。離反が予想される顧客に対するアプリのログインや購買金額などの数値目標を設定し、対象顧客へのクーポンやコンテンツを提案したところ、企業側から評価いただくことができました。他にも製造、教育などさまざまな企業の課題に取り組んだことで視野も知識も広がり、データを深掘りして新たな価値を生み出す力が身に つきました。
データサイエンティストとしてのアドバンテージを実感
学部での充実した学びもあり、志望していた化粧品を扱う会社にデータサイエンティストとして入社できました。化粧品だけでなく日用品やケミカル製品などの事業も展開し、研究開発からロジスティクス、マーケティング、販売まで自社グループで行っており、分析するデータが多岐にわたることが特徴です。業務では関係者とのコミュニケーションを大切にし、データサイエンティストとして先入観なくデータを見て価値提案できるよう心がけています。それによって喜んでもらえることがやりがいです。また、データサイエンスは現時点では依然として「人間の仕事」であると感じています。単にデータを見て、プログラミングするのであれば、今は生成AIである程度、対応できます。しかし、会社や市場の動向、関係者とのコミュニケーションなどから課題の真のボトルネックを見つけ出し、仮説を立ててデータを紐解き、解決策を構築するのは人間にしかできません。こうした思考とスキルで仕事に取り組めるのはDS学部で学んだからこそ。今は企業でも社会でもデータ活用が 当たり前になっていますが、身についた理系の数理的理論、文系の社会的思考、新たな価値の創造性が私だけの強みになっていると思います。
入学を考えている方へ
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