卒業生学部生

誰もが運用できるAIの実装化が目標。対話と学びを大切に課題解決に邁進。

ダイハツ工業株式会社 饗庭 拓真さん

滋賀県出身。2022年3月滋賀大学データサイエンス学部卒業。同年4月ダイハツ工業株式会社入社。5月よりコーポレート統括本部DX推進室データサイエンスグループに配属。同社が掲げる「データ・AIの民主化」に向けて、工場でのAI導入とキーマン育成などを担当。ゼミ活動を通じて完成させた卒業論文「打音検査に用いる機械学習モデルの開発と評価検証」は令和3年度優秀卒業論文に輝いた。
※勤務先の所属は取材時のものです。

企業の課題解決に学生時代からチャレンジ

在学中、もっとも力を入れていたことは、所属する河本薫先生のゼミでの企業連携型PBLです。3回生、4回生の2年間で、6つの企業のビジネス課題を解決するためにデータ分析を行いました。その一つが現在、勤務するダイハツ工業のプロジェクトです。部品などの異常を音で判定する打音検査を、音声データとAIによって分析・検知するモデルの開発に挑みました。実際にハンマーで部品を叩いて正常・異常音をレコーディング。それらを正確に判別できるよう、機械学習させました。こういった解決のためには、まず課題を発見することが重要です。
さらに新たな視点でのデータ分析、そしてモデル構築のベースとなる有効なデータの収集のためにアナログな作業や関わる人びととのコミュニケーションも欠かせないと感じました。継続的に考察・分析結果を企業の方に直接フィードバックいただけたことも、データの分析力と収集力、実社会で必要なビジネススキルの習得につながったと思います。

より使える・役立つAIを、現場と一丸となって構築

現在の重点業務は、製造ラインでのAIの実装化です。工場での課題を発見・検証し、有効なAIを構築していきます。この時、私がすべて行うのではなく、現場のスタッフも共に携わり、最終的には現場の一人ひとりがより有効なAIを構築、実装化できるようになることも目標にしています。
また、いくら高精度のAIが完成しても、現場の誰もが使うことができなければ、意味がありません。社会人になって、データサイエンスやAIは課題解決のためのツールであることを再認識しました。皆で作り上げたAIが工場に実装化され、課題解決を図れていることはもちろんですが、スタッフの一人ひとりに「使いやすい」と評価いただくことが何よりうれしいです。

データサイエンスの知識とスキルをつねにアップデート

私はデーサイエンスという新たな分野にこれからの可能性を感じて、滋賀大学データサイエンス学部に入学しました。社会のあらゆる領域でDX化が急加速する今、あの時の判断は正解だったと思います。しかも、学部は実社会との接点が多数あり、データサイエンスを「ビジネス視点」で学べたことは、私の大きなアドバンテージになっています。なので、データサイエンス分野に興味がある人は、滋賀大学で学ぶことをおすすめしたいです。
また、この分野は“今日の最新技術が明日にはもう古い”というほどのスピードで発展しています。つねに新しいメジャーにのっていくには、学びを止めないことも必要です。私もビジネスデータサイエンティストとして向上心をもって、学び続けていきたいと思います。

入学を考えている方へ

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