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㈱アシックスへの学術指導による成果が国際学術誌に掲載  データサイエンスを用いたスポーツパフォーマンスの科学的な解析に寄与

 このたび、滋賀大学と株式会社アシックス(以下、アシックス)の連携による研究成果が国際学術誌「Frontiers in Sports and Active Living」に掲載されました。
 本研究では、マラソンレース前半の走行データから、ランナーがレース後半に急激なペースダウンを迎える、いわゆる“30㎞の壁”現象について、前半データから後半のペース減少を約73.9%の精度で予測可能であることを明らかにしました。

 この成果は、2023年12月に締結した滋賀大学とアシックスの連携協定を契機に、2024年2月から実施した学術指導の取り組みから生まれたものです。1437名のランナーを対象に、慣性計測ユニットから得られた歩長、接地時間、垂直剛性などの実データを用いて、人間のパフォーマンス変化を定量的に捉える新しい可能性を示しました。

 企業と大学がデータサイエンスを活用して課題解決に取り組み、国際論文として成果を発信した本事例は、滋賀大学が企業との共創を通じて新たな知を社会へ還元する大学であることを象徴するものです。今後も滋賀大学は、企業や社会人の学術的挑戦を支援し、データサイエンスを通じた社会課題解決と新たな価値創造を積極的に推進してまいります。

(掲載論文)
タイトル:Early marathon running metrics from inertial measurement units predict significant pace reduction
掲載誌:Frontiers in Sports and Active Living, Vol. 7, 2025.
DOI: 10.3389/fspor.2025.1681444