お知らせ

タイ・スタディツアー研修実施報告(2025年9月1日~9月10日)

滋賀大学データサイエンス学部/研究科では、2025年9月1日(月)から9月10日(水)までの10日間、タイにてスタディツアーを実施しました。本研修は2023年以来2年ぶりの開催となり、学部生7名、大学院生3名が参加しました。

今回のスタディツアーは、現地大学や企業での研修・交流や文化体験を通じて、データサイエンス分野における国際的視野を養うことを目的としました。

◆TNI訪問プログラム(9月1日〜4日)
・9月1日(月)
一行は中部国際空港からバンコクへ移動しました。到着後、ホテル近くのレストランで泰日工業大学(TNI)の教職員や学生による歓迎を受け、ウェルカムパーティーが催されました。初日から温かい交流の雰囲気に包まれ、研修の幕開けとなりました。

ウェルカムパーティーの様子

・9月2日(火)
TNI主催の3日間のプログラムが始まりました。TNIは、日系企業の支援を受けて設立された大学で、日本式の「ものづくり教育」を特色としています。工学分野では実習設備を活かした実践的な教育に力を入れる一方、近年はAIやデータサイエンスの教育・研究にも取り組み、産業応用を意識した人材育成を進めています。
学生たちは、ウェルカムスピーチやオリエンテーションに加え、キャンパスツアーで実習現場を見学しました。その後、TNI学生と合同のワークショップを行いました。前半では、日本の学生がタイの食べ物について、タイの学生が日本の食べ物についてのプレゼンテーションを行い、互いの文化を紹介し合いました。後半では、写真技術に関するレクチャーと撮影の実演があり、参加学生も体験撮影に挑戦しました。

TNI教員による実習現場の説明(左) ワークショップでの滋賀大生の発表(右)

・9月3日(水)
午前中は、TNI学生によるサバイバルタイ語レッスンや交流ランチを通じ、学術的な学びに加えて文化交流の意義も実感しました。並行して、教員間ではAI技術やデータ活用の研究に関する意見交換が行われ、学術的な交流も進みました。午後には、TNI学生の案内で王宮エリアやローカル市場を訪れ、タイの歴史や文化を体験しました。

・9月4日(木)
アユタヤ遺跡群を訪問し、世界遺産に指定された寺院や遺跡を巡りました。現地ガイドの説明を受けながら、タイの歴史的背景を深く学ぶことができました。

◆NTTデータ タイランド訪問(9月5日)
NTT DATA (Thailand) Co., Ltdは、幅広い産業分野でシステム開発やデジタルソリューションを提供するIT企業です。本訪問では、企業におけるデジタル変革(DX)の取り組みについて学びました。DataRobotとPower BIを用いた実習研修も行われ、AI・機械学習の自動化や、データの分析と可視化を体験しました。

研修の様子(左)  NTTデータの研修講師の方々と一緒に(右)

週末(9月6,7日)はフリータイムとなり、学生はそれぞれ市内観光や文化体験に出かけました。一部にはTNIの学生が同行し、交流を深めながら異文化理解を広げる機会となりました。

◆CPグループ・True Digital Park訪問(9月8日)
CPグループ(Charoen Pokphand Group)は、農業・食品・小売・通信・ヘルスケアなど多岐にわたる事業を展開する、タイを代表するコングロマリットです。午前中は、CPグループの小売店舗(Lotus)を訪問し、無人レジや動線分析、電子棚札(Electronic Shelf Label:商品の値札がデジタル表示になっていて、価格変更や在庫管理と連動する仕組み)の導入事例を学習しました。また、店舗内に設置された電気自動車(EV)のバッテリー施設も見学しました。午後はTrue Digital Parkを訪問し、スタートアップ支援施設、データセンターやEV開発に関する展示を見学しました。

Digital Parkの見学

◆モンクット王立工科大学訪問(9月9日)
モンクット王立工科大学ラートクラバン校(King Mongkut’s Institute of Technology Ladkrabang, KMITL)は、工学や情報科学の分野に強みを持つ大学で、近年はデータサイエンスやビジネスアナリティクス教育にも注力しています。本研修では、キャンパスツアー、学生同士の交流や教員による研究紹介が行われ、活発な意見交換を通じて学術的な国際交流を深めました。

引率の深谷教授による滋賀大の紹介(左) KMITLの教員・学生と一緒に(右)

◆在タイ滋賀大学OB会(陵水会)との交流
9月2日(火)の夕方からは、海外唯一である陵水会タイ支部のOB4名の方々との懇談会に参加しました。現地で活躍する先輩方から、ビジネス展開に関する貴重な経験談を伺った後、日本食レストランでの懇親会に移り、学生時代の思い出や現在の仕事、さらにはタイの社会・経済情勢について幅広いお話を伺うことができました。
今回のスタディツアーでは、データサイエンスの専門知識を国際的な文脈で応用する実践的な学びに加え、文化交流や人的交流を通じて多様な価値観を得ることができました。参加学生にとって、今後の学修やキャリア形成に大きな刺激となる経験となりました。

本研修の実施にあたり、ご協力いただいたタイの大学・企業・関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。