はじめに

 現在,おもに脳の神経回路の機能を研究しています.脳と神経回路の研究は近年かなり進みましたが,わかったことよりもわからないことの方がまだ多い状態です.脳の神経回路がどのような構造になっているのか,どのような機能を持っているのかを理解するためには,様々な方向から接近してみる必要があります.そこで,

という二つの方向から研究を行っています.さらにこれと並行して,多数の要素が集団になったときにどのような挙動が出てくるかも研究しています.神経回路は神経細胞が多数集まったものですから,さまざまなものの集団について研究することで,神経回路と脳について理解が進むのではないかと考えています.

リカレント情報量最大化原理 〜脳の神経回路の活動を理解する〜

 脳は多数の神経細胞が互いにつながったものです.神経細胞は電気活動(発火と呼びます)を発生し,それで信号を互いにやりとりして情報を処理しています.神経細胞の性質については多くのことがわかっていて,その性質を再現する数学的なモデルがいろいろ提案されています.神経科学の理論研究では,神経細胞のモデルをたくさんつないで回路を作り,その性質を調べることがよく行われています.

scheme

 それでは,脳の中では神経細胞はどのような回路を作っているのでしょうか.脳の回路は様々な実験で調べられていますが.ここでは理論的な方面から,神経回路がどのようになっているかを考えてみます.

 生物は環境に適応して生きています.食べ物があれば取りに行って食べますし,大きな肉食獣に出会ったら逃げます.生物は脳を使って環境から入ってくる大量の情報を処理し,その情報を使って生存しています.情報の処理に失敗すると食べ物を得られず飢え死にするかもしれませんし,肉食獣に捕まって食べられてしまうかもしれません.ですから,生物の脳は情報をうまく処理できるようにできているはずです.

 情報の処理にもいろいろありますが,一番大事なのは情報をしっかり保持しておくことです.できるだけ正確にたくさんのことを記憶しておく,と言い換えてもよいでしょう.さっき見た食べ物を忘れてしまっては飢えてしまいますし,さっき見た肉食獣を忘れてしまっては餌食になってしまいます.だから,生物の脳は情報をよく保持しておくことができるようになっていなければなりません.

 脳の神経回路は情報をよく保持できるような回路になっているはずです.逆に考えれば,神経細胞のモデルをたくさん結合して回路を作り,その回路の情報保持能力ができるだけ高くなるように回路を組み上げれば,脳の神経回路によく似たものになるのではないでしょうか.できるだけ情報をよく保持できるようなモデル神経回路を作れば,そのモデルは生物の神経回路の性質を再現できるのではないでしょうか.

 「神経回路では情報の保持効率が最大化されている」──この原理に基づいて実験的に知られている神経回路の性質を説明しようとしたのがNeural Computation 21(4), 1038–1067 (2009) [Link] [PubMed] [PDF]です.神経科学では多数の細胞が互いに結合した回路のことをリカレント回路と呼ぶので,この原理をリカレント情報量最大化原理Recurrent Infomaxと名付けました.またここでは,保持される情報量ができるだけ大きくなるように回路を変えることを学習と呼ぶことにします.

scheme

 この原理に基づいて学習を行うようなモデルを作ると,このモデルでは以下のような実験事実を説明できることがわかりました.(情報理論を知っている人のための註:相次ぐ二つの時刻における回路の発火状態の間の相互情報量を近似的に最大化するような学習則を導出しました.)

発火連鎖

 これまでに多くの実験で,特定の神経細胞の組が繰り返し同時に発火したり,複数の神経細胞が特定の順序で繰り返し発火したりする現象が観察されています(Ikegaya et al., 2004).繰り返し出現する同一の発火パターンのことを細胞集成体cell assemblyと呼び,繰り返し出てくる発火の連鎖のことをシンファイアチェインsynfire chain,位相連鎖phase sequenceなどと呼びます.

 モデル神経回路が保持する情報ができるだけ大きくなるように回路を学習させていくと,最終的にモデル神経回路に繰り返し同じ発火パターンが出たり,繰り返し特定の細胞の集団が連鎖して発火したりするようになることがわかりました.

sequence

 上の図に学習前(A)と学習後(B)の神経回路内のモデル神経細胞の発火の様子を示しました.横軸が時間で,縦軸が神経細胞モデルの番号です.神経細胞モデルが発火したところに点を打ってあります.ある時刻に発火した細胞たちと別のある時刻に発火した細胞たちが全く同一であった場合,この二つの時刻の発火を同じ色で表示し,互いに線で結んでいます.学習後には同じ発火パターンが繰り返し出ていることがわかります.

神経雪崩neuronal avalanche

 学習後のモデル神経回路では,神経細胞の発火がしばらく続き,その後細胞が発火しない時期が続く,という現象が繰り返されます.発火が続いている間に発火したのべ細胞数を数えると,その分布が冪分布に従うことがわかりました(発火したのべ細胞数がn個である確率はn-1.5に比例していました).実験でも同じ分布に従うことが報告されており(Beggs & Plenz, 2003),モデルはこの結果をよく再現しています.(臨界現象を知っている人のための註:学習前は結合が弱くて発火はほぼ無相関なので,のべ発火細胞数はポアソン分布に従います.冪分布の出現は学習によって自己組織的に臨界状態に到達したことを示しています.)

発火系列の記憶

 繰り返し外部入力を与えて細胞1→細胞3→細胞2を順番に発火させながら学習を進めると,細胞1を発火させるだけで続いて細胞3と細胞2の自発的な発火が生ずるようになります.

learned sequence

 Aが学習中,Bが学習後です.学習中は細胞1を発火させ,細胞3を発火させ,細胞2を発火させる,という手続きを繰り返します(この三つの細胞の発火を赤で示しています).すると,学習後には(矢印で示した時刻に)細胞1だけを発火させただけで,これに続いて自動的に細胞3と細胞2が発火します.最近,この結果に非常によく対応する実験がJohnson et al. (2010)によって報告されました.

刺激選択性

 モデル神経回路に外部から,自然界の写真を入力として与えて学習を進めると,皮質一次視覚野に存在する単純型細胞(Hubel & Wiesel, 1962)に類似した応答特性が生ずることがわかりました.一次視覚野には,視野の中の特定の位置の特定の傾きの線に応答して発火する細胞があります.モデル神経回路に写真の各部を切り取って入力として次々与えながら学習を進めると,それぞれのモデルの神経細胞は特定の位置にある特定の傾きの線に応答して発火するようになりました.(これは以前から理論的に知られている結果の再現です.)

将来への展望

 モデルによって以上のような実験結果を再現できました.さらに,情報量についての考察から以上の結果がなぜ出てくるかを直感的に説明できることもわかりました.

 このように,様々な実験事実を単一の原理から統一的に説明できました.ですが,このモデルにもいろいろ問題があります.皮質一次視覚野の複雑型細胞の選択性や,もっと高次の処理をしている細胞の選択性も説明ができませんし,ほかの領野(たとえば運動野)の細胞の活動も説明できません.また,このモデルでの「学習」は神経細胞が実行するには複雑すぎます.これらの問題を解決するための研究を現在進めています.

 詳しくはNeural Computation 21(4), 1038–1067 (2009) [Link] [PubMed] [PDF]を見てください.

位相振動子の三体間相互作用 〜アナログ情報の保持〜

 私たちはアナログ的な量を記憶することができます.たとえばものの長さがどれくらいだったかを記憶することができますし,荷物の重さを記憶することもできます.これらはアナログ的な量(連続的に変化しうる量)です.アナログ的な量を記憶している脳から電気活動の記録をとると,記憶している量が大きければ大きいほど発火頻度が大きく,記憶している量が小さければ発火頻度が小さくなる細胞が存在することが見いだされています(Romo et al., 1999).つまり,アナログ的な量は脳内でもアナログ的に表現され,記憶されています.

 ところが,神経回路モデルでアナログ的な量を表現することはなかなか難しいのです.神経細胞の発火頻度が高い状態と低い状態の二つを保持できる神経回路モデルを作るのは簡単です.ですが,発火頻度が高い状態から低い状態までの任意の状態を保持できるモデルは,かなり精密に調整しなければ作れません.(力学系を知っている人のための註:発火頻度でアナログ量を表現する先行モデルでは,使われている系は不安定でアナログ量を安定的に保持できないか,あるいは構造不安定な系になっていることが多いようです.)

 そこで,発火頻度とは違うやり方でアナログ的な量を保持できる理論モデルを提案したのがPhysical Review Letters 106, 224101 (2011) [Link] [PDF]です.この論文では,神経細胞を振り子のように振動している振動子としてモデル化しています.神経細胞は繰り返し発火しているので振動子だと考えることができるからです.

 神経細胞の集団の中で一つ一つの神経細胞が繰り返し発火しているとします.繰り返し発火の本来の周期は細胞ごとに違いますが,細胞同士が結合すると歩調をそろえて発火することができます.結合の強さによって歩調がそろったり,乱れたりします.歩調がそろった状態を同期状態,乱れた状態を非同期状態といいます.普通は結合が強くなるとよく同期し,結合が弱いと同期できません.このモデルでは,神経細胞同士の間にある種の結合があると,同期度の高さをアナログ的に変化させられることがわかりました.

(ウェブブラウザによってはアニメーションが動作しないかもしれません.動いていたアニメーションが止まってしまったときは止まったアニメーションの中をクリックしてみてください.)

 上のアニメーションでは,それぞれの色のついた丸が一つ一つの神経細胞に対応します.すべての丸が足並みをそろえて回転している場合が同期して振動している状態で,ばらばらになっているのが非同期状態です.左が同期度が高く,右が同期度が低くなっています.赤線は中心から神経細胞すべての位置の重心までの間の距離を示しており,赤線が長ければ長いほど同期度が高いといえます.神経細胞同士の結合の強さはどちらも同じですが,左は歩調がそろった状態から計算を開始し,右は歩調の乱れた状態から開始しています.最初に振動の歩調がそろっていれば同期し続け,最初に歩調が乱れていれば非同期状態のままとどまります.このモデルでは,モデルを精密に調整しなくても同期度の形でアナログ的な記憶を保持することができました.脳内でもアナログ的な記憶がこのモデルのように同期度の形で記憶されている可能性があります.(初期の配置によって右の集団は強く同期したり完全に非同期になったりするので,赤線の長さに注目しながら何度かリロードしてみてください.左では赤線の長さはいつも同じですが,右の赤線はリロードするたびに長くなったり短くなったりすると思います.)

 なお,上で「神経細胞同士の間にある種の結合があると」と書きましたが,この「ある種の結合」とは,三体間相互作用になるような結合です.ある神経細胞と別の神経細胞の間の結合が,第三の神経細胞の発火活動によって強くなったり弱くなったりしうるような場合に,このような結合があるといえます(三つの神経細胞の間の作用なので三体間相互作用といいます).神経細胞の結合の中にはこのような三体間相互作用であるといえるような結合もあるので,このような形のアナログ的な記憶が脳内にもある可能性があります.

 この研究については,詳しくはPhysical Review Letters 106, 224101 (2011) [Link] [PDF]を見てください.最近はこの研究を発展させて,三体間相互作用がある振動子のネットワークにアナログ的な記憶パターンを埋め込んだ系の振る舞いについて共同研究を行っています.

一次視覚野の複雑型細胞 〜多層神経回路による効率的な情報表現〜

 私たちがものを見て,判断する中枢は大脳の視覚野です.大脳の中で視覚入力が一番最初に入ってくるのは一次視覚野と呼ばれる領域で,頭の一番うしろにあります.一次視覚野には線分に応答する細胞があることが知られています.一次視覚野からは高次視覚野への入力が出て,高次視覚野の細胞はもっと複雑な図形(角や人の顔など)に応答します.高次視覚野では一次視覚野の単純な特徴(線分)に応答する細胞からの入力を組み合わせて,より複雑な特徴(角や顔)に応答する細胞を作っていると考えられています.

 一次視覚野の細胞は線分に応答しますが,一部の細胞は線分の位置をずらすと応答しなくなり,一部の細胞は線分の位置を少しずらしても応答することが知られています.前者は単純型細胞,後者は複雑型細胞と呼ばれています.

 単純型細胞の選択性がなぜ出現するかは,Bell & Sejnowski (1997)によって説明されました.彼らによれば,自然界の写真を入力とするニューラルネットワークの出力の情報量ができるだけ大きくなるようにネットワークの学習を進めると,このネットワークの細胞は線分に対する応答を示すようになります.この細胞は特定の位置にある線分に応答しますが,線分が少しでもずれると応答しなくなります.ですから,彼らのモデルで出てくる細胞は単純型細胞だということになります.

 それでは,複雑型細胞もネットワークの(あるいは一次視覚野の)出力の情報量が大きくなるように学習を進めれば出現するのでしょうか.それとも,複雑型細胞の挙動は出力の情報量を大きくするという方針では説明できないのでしょうか.

 少し考えると,複雑型細胞は情報量を大きくする役に立たないのではないか,という気がします.というのは,複雑型細胞は線分の位置によらず応答するからです.これは線分の位置に対する情報を捨ててしまっていることになります.出力の情報量を大きくしたいならば,位置の情報を捨てずに保存する単純型細胞のみを使うべきではないでしょうか.

 実は,線分に応答する単純型細胞を第一層とし,この第一層から入力を受ける第二層の細胞たちを用意して,この第一層と第二層の両方で表現する情報ができるだけ大きくなるように学習を進めると,第二層には複雑型細胞と同じように位置が少しずれても応答する細胞が出てくることがわかりました.複雑型細胞は一個の細胞としては位置の情報を捨ててしまっているので不利なように思われるのですが,出力全体の情報量を増やすのに有益なようです.

selectivity of complex cells

 左上の細胞は斜め縞に対して応答する細胞ですが,刺激の範囲が大きくなると応答が下がっています(周辺抑制).右上の細胞は横縞に応答する細胞ですが,縦縞を重ねると抑制されています.左下の細胞は斜め縞に応答する細胞ですが,縞が長くなると抑制されています(end-stopping現象).右下の細胞は横縞に応答する細胞ですが,周辺に縦縞を提示すると応答が大きくなります(コントラスト増強).これらはすべて実際の複雑型細胞で報告されている現象です.特別な仮定をおかず,写真を入力として人工神経回路の持つ情報量ができるだけ大きくなるように学習を進めるだけで,これらの現象を再現することができました.(神経科学に詳しい人のための註:それぞれの図の左側に単純型細胞からの入力を示しています.赤が興奮性入力を与える単純型細胞,青が抑制性入力を与える単純型細胞で,線分の傾きと位置が単純型細胞の応答する線分の傾きと位置です.モデル細胞の応答と入力とが確かに対応していることを確かめてください.)

 この研究の結果から,次のような推論が成り立ちます.複雑型細胞は空間内で線分をずらしても同じ応答をするようにできていると捉えるよりは,複雑型細胞は縞模様の境目に応答するようになっていると考える方が適切です.複雑型細胞は線分の詳細な位置によらず発火することで効率の悪い情報表現を行っていると見るよりも,複雑型細胞と一緒になって,より効率のよい画像の表現を作っていると見る方が理にかなっています.実際,単純型細胞だけが多数あるよりも,単純型細胞と複雑型細胞の両方がある方が表現できる情報量が大きくなることもわかりました.

 この研究については,詳しくはFrontiers in Computational Neuroscience 7, 165 (2013) [Link] [PubMed] [PDF]を見てください.

 また,中枢神経系で聴覚を処理している細胞の特性も同じようにして説明できることもわかりました.詳しくは23rd International Conference, ICONIP 2016, Kyoto, Japan, October 16-21, 2016, Proceedings, Part IV, LNCS 9950, 183–190, (2016) [Link] [PDF]を見てください.

球面を走り回る粒子の群れ 〜多様性のある集団のダイナミクス〜

 鳥や魚には群れを作るものがあります.群れは数個体から時には数万個体が集まったものですが,群れ全体がまるで一つの生き物のようになってダイナミックに形を変えながら動きます.野山や町中で鳥たちの群れの不思議な動きに目を奪われた経験は誰しもあるでしょう.古来,鳥や魚の群れは文学や美術の題材になり,近年では研究も盛んに行われてきました.

 群れの動きの秘密を詳しく知るにはどうすればよいでしょうか.まず実際の群れのデータを集めて分析することが重要です.次にデータからそれぞれの個体の動きを決定する数式を書き表します.さらにこの数式をコンピュータで計算して群れの動きを再現します.

 これが一番普通のやり方ですが,このやり方には困ったところがあります.それは,数式をコンピュータに計算させることはできても,数式を手で解くことはできないところです.群れの中の鳥の一羽一羽の動きをコンピュータで計算することはできますが,手で解くことができないと,群れ全体の動きがどうなるのかも,少しだけパラメタが変化したとき(風が吹いているとか,群れの中で個体が密集しているとか)にどうなるのかも,毎回コンピュータで全部計算し直さないとわかりません.

 もちろんコンピュータで再現ができるならばそれでいろいろなことがわかるのですが,条件が少し変化したとき何が起こるのか,毎回計算し直さないとわからないのでは困ります.鳥たちが群れを作るとき群れの動き方に大きな影響を与える要素は何なのでしょうか.鳥たち一羽一羽の速度でしょうか.それとも体の大きさでしょうか.あるいは鳥たちが周りのほかの鳥と飛ぶ方向を合わせようとする傾向の強さでしょうか.

 こういったことを理解するためには,手で解くことのできる式を立てることが必要です.答えが数式の形で与えられれば,コンピュータで計算せずとも,速度や体の大きさが群れの動きにどのような影響を与えるのかを読み取ることができます.解ける式を立てれば,本質を理解することができます.(力学系を知っている人のための註:個体の運動を支配する微分方程式を書き下し,個体間の相互作用を導入すれば,群れ全体の力学系を数値計算的に解くのは簡単です.もしこれに加えて解析解が得られれば,どこで分岐が起こるのかとか,分岐を支配するパラメタは何なのかなどがわかり,現象の理解が大きく進みます.)

 そこで,New Journal of Physics 16, 023016 (2014) [Link] [PDF]では思い切り単純化した群れの運動の数理モデルを提案しました.個体の運動を簡単化するためにそれぞれの個体は球面の上にあって,それぞれ自分の好きな軸の周りに好きな速さで回転しているのだとしました.個体の間にはバネのような距離に比例する引力が働いているとしました.すると,粒子の集団は下のアニメーションのような運動を示しました.

(3Dアニメーションです.WebGL対応ウェブブラウザで表示してください.リロードすると初期値とパラメタが変化します.運動が止まってしまうことも,動き続けることもあります.試してみてください.)

 いくつかの仮定をおくと,この粒子集団の重心の運動を一個の方程式で書き表せることがわかりました.無数の粒子があって,粒子のそれぞれが個性(回転の軸と速さ)を持っているとき,集団の運動を完全に表現できる式が見つかりました.鳥や魚の運動を表現する式は普通非常に複雑なため,このような形で解くことはできません.この研究ではモデルを単純化することで解が得られ,本質的な理解が得られました.

 鳥や魚の群れは,多数の要素が集まって相互作用している系だとみなすことができます.このような系の中には神経系や,社会も含まれます.これらの系は複雑で,これらの系のダイナミクスは普通は解けません.ですが,単純化した解ける系のダイナミクスを詳しく調べることで複雑な系のダイナミクスについて類推することができるようになります.

 この研究については,詳しくはNew Journal of Physics 16, 023016 (2014) [Link] [PDF]を見てください.

その他の研究

 以上のほかに,次のような研究を行ってきました.

 このほか,生態系の安定性に関する研究や,運動課題を実行している神経回路に出現するダイナミクスを再現するモデルの研究も行っています.

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