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彦根市に救急車の配置最適化提案

2022年07月27日

 滋賀大学データサイエンス・AIイノベーション研究推進センターでは、令和3年度、彦根市から委託を受け、救急活動の課題「救急要請多発場所に効率的な車両配置を行う研究」を行いました。これは、救急要請を受けてからの現場到着時間(現着時間)が年々遅くなっており、さらに、少子高齢化の影響により救急負荷が増大している市の課題解決を目指し、救急活動の現着時間軽減に関する分析を行ったものです。

 今回、この受託研究の成果報告会を720日、彦根市役所で行いました。集まった市の担当者や報道機関の記者を前に、市から提供された救急出動や人口に関するデータを分析した川井准教授らが次のように報告しました。
 現在、彦根市を含む13町の地域は、彦根市を中心に本署、南分署、北分署、犬上分署の4つの消防署でカバーしており、その救急出動状況を分析すると、1.署別に出動先の位置の重心を算出し、署の最適な配置場所を推測。2.道路状況により迂回が生じている実態がある。3.救急車を追加配置するのであれば北分署が最適となる。

 成果報告会の取材に訪れた記者からは、この報告を受けて市として今後どのように対応する方針なのか、と質問があり、市の担当者は「今後、人口の推移と救急件数の変化を認識し、中長期の政策制定に生かしたい」と答えました。

 なお、本研究により得られた成果は、他の自治体にも応用しうるものであり、今後、県内自治体に提供するなど成果還元を検討してまいります。

 この様子は複数のメディアで取り上げられました。<参考・大学サイト>https://www.shiga-u.ac.jp/2022/07/22/108369/

 220720彦根市成果報告会(グラフ)

 220720彦根市成果報告会(川井准教授)
 成果報告を行う川井明准教授(写真は彦根市提供)

 
 救急車の追加配置最適化について説明する田島友祐助教(写真は彦根市提供)