公開講座・シンポジウム・セミナーEVENT

第55回データサイエンスセミナー

2019年04月17日

開催日時:2019年04月25日16:10-17:10

開催場所:220室(データサイエンス棟2階)

山口 崇幸 氏(滋賀大学データサイエンス教育研究センター)

題 目:「マッケンドリック方程式を利用した数理モデルによる日本の肺がん罹患数と死亡数の予測」

概要:喫煙は肺がんの危険因子の一つである。日本では、喫煙率は低下しているが、高齢化により肺がんの罹患数自体は増加している。このような変化を捉えるために人口動態を記述するマッケンドリック方程式をもとにしたコンパートメントモデルを定義した。 喫煙率、人口、がんの統計データからパラメータを推定し、現在の状況が続くという仮定のもとで日本における肺がん罹患数と死亡数の予測を行った。


講演者:藤澤 知親 氏(滋賀大学データサイエンス教育研究センター)

題 目:「周期ゼミのトランスクリプトーム解析」

概要:北アメリカに生息する周期ゼミは13年から17年の非常に長い生活サイクルと同時大量発生でよく知られている。本研究では現在知られている全ての周期ゼミ7種から採取したRNA配列を解析し、過去の集団動態の推定と周期をコントロールする遺伝子の探索を試みた。集団動態推定の結果、13年ゼミと17年ゼミのペアの間で顕著な遺伝的交流が存在することが示された。また周期に対応するように分化したSNPは探索した遺伝子内には存在しなかった。これらの結果は周期ゼミの周期はごく少数の遺伝子座によってコントロールされている可能性を示唆している。


江崎 剛史 氏(滋賀大学データサイエンス教育研究センター)

題 目:「創薬分野におけるデータサイエンス -創薬支援インフォマティクスシステム構築プロジェクト-」

概要:近年の創薬にかかる研究開発費の高騰に伴い、創薬におけるデータサイエンスの重要性が広く認識されつつある。情報科学的手法を用いて創薬を支援するシステムの「創薬支援インフォマティクスシステム」の構築を進めている。本セミナーでは、開発を進めているシステムについて紹介するとともに、研究遂行において生じた課題と取り組みについて紹介する。